オーロラの下で (1990) : Under Aurora

シベリアを舞台に日本人のマタギとオオカミ犬との固い友情を描く。戸川幸夫原作の同名小説の映画化で、脚本は、大和屋竺とイジョフ・ヴァレンティン・イワノヴィッチの共同執筆。監督は、後藤俊夫。撮影は、奥村祐治がそれぞれ担当。日本=ソ連合作。出演:役所広司、マリーナ・ズージナ、桜田淳子、ガッツ石松、下絛アトム、織本順吉、小松方正、丹波哲郎ほか。

オーロラの下で (1990)のストーリー

東部シベリア・ヤクート州。源蔵は孤独と闘いながら、恋人うめを救う大金を稼ぐため荒猟をしていた。ある日豪商レージネフの大事にしていた名馬を襲った三本指の殺し屋オオカミ“ブラン”に大金が懸けられた。一日も早く日本に帰りたい源蔵は必死でブランを追った。だがブランはどのオオカミよりも頭がよく、誰一人としてその姿を見ることができなかった。しかし、王の座を賭けて腹違いの兄と闘ったブランは勝ったものの瀕死の重傷を負って倒れてしまった。政治犯を救出する組織の一員でもある猟師アルセーニーがそのブランを助け、心を通わせるうちにブランが犬ぞりのリーダーだったダームカの子供であったことが分かる。アルセーニーの友人でアンナの夫は政治犯を救出する途中、オオカミに襲われ、助けを呼びに行かされたダームカとオオカミの王との間に生まれたのがブランだった。以来、プランはアルセーニーの側を離れず犬そりのリーダーとして活躍するのだった。しかし、ブランはオオカミであると主張する源蔵は、異国の地で初めて手を差しのべてくれた友、アルセーニーと大喧嘩する。その結果、人間同士以上に信頼しあっているアルセーニーとブランの姿に打たれた源蔵は、うめが無性に恋しくなり日本に帰ることになる。だが、すでにうめは嫁ぎ、日本は軍国主義一色でロシア帰りの源蔵はスパイとして迫害を受けるのだった。絶望の中で源蔵は、アルセーニーとブランへの友情、アンナへのほのかな慕情に誘われて再び、シベリアへ渡る。再会の喜びも末の間、アルセーニーは流行の伝染病で帰らぬ人となった。そしてブランも食べ物を一切口にせず、アルセーニーの後を追う覚悟でいた。源蔵は強い衝撃を受け、ブランと一緒にアルセーニーに代わって、遠くの村に避難しているアンナたちに血清を届ける決意をするのだった。こうして10日間の決死の大氷原行へと出発し、無事子供たちに血清を届けることができた源蔵とブランは美しいオーロラと村人たちの感謝に包まれるのだった。

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